「市民科学者」とは、多くの市民が関心を持つ軍縮や環境などの政策を、専門性を活かしながら、かつ市民の目線にたって分析し、必要に応じて代案を提示する科学者のことである。
フランク・フォンヒッペル氏(プリンストン大学 公共国際問題学部科学・国際安全保障プログラム名誉教授)は、市民科学者として、1960年代以降半世紀にわたって、核戦争の防止と「核兵器なき世界」実現のために尽力してきた。
『平和と核軍縮』誌上におけるこのインタビュー・シリーズでは、核物理学者としてキャリアをスタートさせたフォンヒッペル氏がのちに核問題全般をめぐる政策の専門家へと転身し、それぞれの時代においてどのような問題と格闘してきたのかを自らの言葉で語っている。
時には独立した市民として、そして時には米国政府内部から、国内外で豊富なネットワークを築きながら核軍縮に挑み続けてきた同氏の半生は、「核兵器なき世界」をめざす私たちに数多くの示唆を与えてくれる。
インタビュアーは、ジャーナリストの黒川朋子氏(TBS)が務める。