対外交渉史資料(武藤文庫)

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伊藤圭介著『泰西本草名疎』3冊

   花繞書屋蔵板 文政12年(1829)刊
   シーボルトから贈られたツンベルグの『日本植物誌』(Flora Japonica,1784)をもとに学名と和名を対照して示し、リンネ(Carl von Linne,1707〜1778)の24綱分類体系を訳述付録として刊行したもの。
伊藤圭介(1803-1901)は、幕末・明治時代の本草学者、植物学者。名古屋の医者西山玄道の次男として生まれ、京都で洋学を修めたのち、長崎に遊学してシーボルトに学んだ。その後、蕃書調所などに出仕、維新後は東京大学に迎えられ、明治21年(1888)わが国最初の理学博士となった。
   上および附録に「松平確堂蔵書」の印がある。確堂は津山藩主松平(越前)家8代である松平斉民(1814-1891)の号。上の巻末には「英人C.R.ボクサー君より□□ 昭和六年於東都 武藤長蔵」と墨書されている。

伊藤圭介著『泰西本草名疎』3冊