所蔵貴重資料

大型コレクション

1. 幕末・明治期日本古写真コレクション

1860-1890年代にかけて上野彦馬やベアト等の写真家により日本で撮影されたもので、その多くは当時の職業絵師により彩色されている。時期的には日本写真史の創成期にあたり歴史的価値が高いばかりではなく、この古写真を通して当時の日本社会をうかがい知る貴重な史料である。内容は、主に幕末から明治初期の長崎、横浜といった外国人居留地や港の情景、建物等を中心に東京、京都、大阪、神戸、その他の土地の風景・風俗を写した6,026点のオリジナル写真である。平成9,10年度に文部省科学研究費の交付を受け、このコレクションのデータベース化を実施し、インターネット上で公開している。

2. ドイツ教育思想・教育制度コレクション

本コレクション(Erziehung in Deutschland,1750-1870)は、プロイセン王国(ドイツ)で1750-1870年にかけて刊行された教育学関係文献で、第1部:著名な教育思想家の著作及び当時の教育制度に関する文献221点、第2部:当時の教育現場で使用された実務書91点で構成され、初版本を中心に収集されている。昭和61年12月に目録を作成し、関係図書館へ配付した。

貴重資料

1. グラバー図譜(正式名称:「日本西部及び南部魚類図譜」)

幕末のスコットランド人貿易商Tomas Blake Gloverの次男倉場富三郎(Tomas Albert Glover)が、明治後期から昭和初期の二十余年間に長崎の魚市場に水揚げされた約600種の魚類を、5人の地元画家に肉筆写生させた全32集806図(801枚)の彩色魚譜で、日本四大魚譜の一つと言われている。戦後、倉場氏から遺贈を受けた渋沢敬三氏が本学水産学部に寄贈されたものである。平成10 年度には、この図譜を電子化しインターネット上で公開している。

2. 長崎古地図(縦129 cm×横212 ㎝)

彩色の鳥瞰古地図の軸物で年代の銘記を欠くが、寛政年間(1792―’97)のものであることは、変化の著しい新地蔵の浮かんでいる内浦地域に焦点を絞って考察すると明らかである。円山応挙が寛政4年(1792)に出島を中心に描いた有名な「長崎港之図」(長崎歴史文化博物館)の絵図と対照させ得る長崎古地図群の白眉であろう。

3. インド文庫

1961、1969、1970年の三回にわたりインド大使館の好意により贈られた「ガンジー生誕百年記念文庫」を含む177点のインド関係資料(洋書)である。

4. 幕末長崎防備諸侯の写真

幕末期の長崎防備のため、長崎や藩地などにあって激動転換期に活躍した諸藩主や長崎 代官の写真及びこれを解説した資料である。この資料は元館長鍋島直共氏が各地に散逸・消滅寸前のものを苦心の末、収集寄贈されたものである。

コレクション

1. 木下逸雲資料(小西家旧蔵)

木下家第11代志賀介(瓊江 けいこう)を祖父に持つ故小西康雄氏、妻の恵氏が保管していた資料群。2013年1月より長崎大学所蔵。小西康雄氏は、木下家の本家である第8代乙名従賢、第10代勇之助(秋塘 しゅうとう)、第11代志賀介(志賀二)(瓊江)に続く逸雲の画業を受け継いできた直系である。
(参考:小西家所蔵・南画家木下逸雲資料目録(2012年1月発行))

2. 玉木鶴亭関係資料(学校法人玉木学園旧蔵)

玉木学園にて所蔵されていた江戸時代から大正時代の美術工芸品180点で、2015年4月に長崎大学へ寄贈された。玉木鶴亭は、明治7年(1874)から11年(1878)まで、旧官立長崎師範学校の図画教員を務めている。鶴亭の資料に加えて、玉木家関連資料や、鶴亭の画に影響を与えたであろう他者の絵画品も同コレクションに含まれている。

貴重資料

1. 紅夷外科宗伝(楢林鎮山著〕

鎮山は江戸時代中期の蘭通詞、後に蘭方医。本書は宝永3年(1705)にフランス・ルネッサンス期の外科医 Ambroise Pare(1510-’90)の外科書の蘭訳本をもとにして彩色図を描き、説明を加えたもの。貝原篤信(益軒)の序文がある。本文は漢和両文で記載され、神経の記述が初めて見られる。また、手術法の図だけではなく医療器具も多数模写してあり、蘭方医たちの手引書として各地で伝写された。

2. 朋百氏薬論(司馬凌海訳証、明治2年(1869)刊)

Pompeの薬物学講義を翻刻したもので、文久元年(1861)12月25日付のPompeの序文及び慶応元年(1865)陰暦8月の自序がある。

3. 薬物学(別題「百氏薬性論」)

安政7年(改元 万延元年)(1860)序、司馬凌海の註であるが、内題に”和蘭朋百先生講述、日本蘭疇松本先生述、門人司馬津註”と見える。刊本”百氏薬性論”の稿本とも考えられるので、刊本よりも詳しい註証が示されている。

4. Flora sive Plantae (Siebold及びZuccarini共著「日本植物誌」(1835-’70年版))

Sieboldの植物に関する著書として著名、かつ代表的なものとされるが、本書は発行当時の表紙をそのまま巻末に集めて製本した貴重な資料である。

5. 聴胸器

嘉永元年(1848)Otto Mohnikeが長崎に渡来した際にもたらしもので、日本における最古の聴診器である。

6. 解剖紙製模型

Pompeが解剖学の講義に使用するため、フランスから輸入したものである。以後長崎医学校時代まで使用したという。当時1週間3時間の授業の際に展示していたので、実習が困難であった時代には学生に大きな便宜を与えていたものである。

7. 正骨原

二宮督が「正骨範」に収載されている正骨手技16図を、古香斎という画家に描かせた一軸である。文政・天保年間の筆と推定される。当時の骨関節治療の徒手整復術及び矯正法の基本型が巧みにアレンジされている。

コレクション

1. 佐藤方朔文庫

長崎医学校の卒業生であり、第3代医学校校長にあたるマンスフェルトの通訳を務めた佐藤方朔氏の旧蔵書。ご子孫から寄贈されたもので、貴重な講義録や医学書、和漢書など約600冊にものぼる。
詳しくは、佐藤方朔文庫一覧をご覧ください。

2. 浅田文庫

長崎医科大学法医学教室の初代教授である浅田一氏の旧蔵書1158冊(洋書490点、和書668点)。
1955年に長崎大学附属図書館医学分館(当時は医学部分館)が購入したもの。語学、文学、哲学書なども多く、コレクションは多岐にわたっている。

大型コレクション

アメリカ巨大企業/経済集中関係資料

アメリカの経済集中に関する各種委員会の報告書。

貴重資料

武藤文庫は、長崎大学経済学部の前身長崎高等商業学校の教授を長年つとめた、故武藤長蔵博士旧蔵の資料です。 和洋図書ならびに雑誌・小冊子類約10,000冊および地図・書画・陶器等の各種資料約200点からなり、経済学関係の古典や対外交渉史関係の資料、さらには地元長崎関係の資料など、広範囲な学問分野にわたり多くの稀覯書が含まれています。

中国・広東にあった欧米商館を描いたガラス絵。広東十三行とは、清朝の外国貿易を独占していた官許商人(中国商人)である「洋貨行」「洋行」の通称であったが、のちに「洋行」が外国商社を指すようになり、「広東十三行」も広東にあった欧米商館を指すようになった。ガラス絵はガラスの裏面に淡水または油で絵を描き、その上にわら紙を貼って表側から見るようにしたものである。広東十三行の図

川原慶賀(1786-没年不詳)は出島オランダ商館絵師で、シーボルト来日後は御用絵師としてシーボルトに愛され、その肖像画や日本植物の図を描いて、大著『日本』等の著述を助けた。本図は出島の全景を描いたもので、本図とほとんど同一の図(署名入り)がドイツのマンハイム市にある市立マンハイム城博物館に所蔵されている。長崎出島之図 川原慶賀画

鳴滝塾は、シーボルトが文政7年(1824)に長崎市外鳴滝に設けた診療所兼学塾で、西洋医学および一般科学の教授を行なった日本最初のヨーロッパ系学塾である。
本画は長崎の画家、成瀬石痴(1838-1895)が描いたもので、鳴滝塾の実景を伝えるわが国唯一の資料である。鳴滝塾舎之図 成瀬石痴画

それまで哲学の一分野としてしか扱われていなかった経済的論題を体系的に論じた最初の経済学の体系的著作。 アダム・スミス(1723-1790)はイギリス(スコットランド)の経済学者、哲学者。
グラスゴー大学で哲学者ハッチソンF.Hutcheson.1694-1747)に学び、 その道徳哲学から大きな影響を受けた。グラスゴー大学の教師を経てバックルー公(Henry Scott, 3rd Duke of Buccleuch,1746-1812)の家庭教師となり、 1764年にはバックルー公とともにフランスに渡り、ケネー(F.Quesnay.1694-1774)を指導者とする重農主義者から大きな影響を受けた。帰国後は郷里に帰り,バックルー公からの年金をうけて著作に専念し、経済学上最大の古典の一つとされる本書を公刊した。アダム・スミス『国富論』第1、2巻(初版)

ロンドン 1776年刊
Sir Josiah Child, A New Discourse of Trade.

武藤文庫所蔵資料

武藤文庫の資料のうち、デジタル化したものはWeb上でご覧いただけます。

  1. 武藤長蔵博士について
  2. 武藤文庫主要資料
  3. 全文閲覧可能資料・新発見資料目録
『武藤文庫目録』(1973年発行)

本文PDFファイル公開(2016.12)

  1. 全ぺージ[19.8MB]
  2. 表紙・目次・奥付等[438KB]
  3. 和漢書の部・洋装本[4.2MB]・和装本[1.4MB]
    古文書集[78KB]・雑誌[185KB]
    資料(絵・書・地図・版画・陶器・拓本・写真等)[215KB]
    索引[1.1MB]
  4. 洋書の部・table of contens,1-61p[4.1MB]・62-153p[5.5MB]
    武藤文庫稀覯書目録[1.2MB]
    索引[1.0MB]

貴重資料の利用について

経済学部分館所蔵の貴重資料を、印刷物掲載・撮影・放映・報道・閲覧などで、利用されたい場合は事前に申請が必要です。
下記をよくお読みになり、貴重資料利用許可願を申請してください。
印刷物・放送・展示等でご利用の場合、画像ファイル(jpg)を提供します。

利用にあたって
  1. 当館貴重資料は、研究・教育のために利用する場合、また、公的機関が公の広報を目的として利用する場合等にご利用いただけます。
  2. 出版物や映像等で利用する場合は、長崎大学附属図書館掲載料徴収規程による掲載料が発生します。
    許可願受領後、こちらから掲載料をお知らせいたしますので、指定口座(十八親和銀行)に振り込んでください。(振込手数料は申請者負担)
  3. 利用願は、利用を希望される10日前までにご提出ください。事務手続きに時間を要します。至急での希望には応じかねます。
  4. 中央図書館・医学分館の資料と同時にご利用の場合は、申請前にご連絡ください。
利用許可願

貴重資料利用許可願(word版), (PDF版), ※記入例

許可願記入にあたっての注意
  1. 「利用許可願」の□(四角)欄のチェックマークは、漏れなく記入してください。
  2. 申請者欄は代表者(資料利用に関して責任がとれる方)の氏名を記入してください。
  3. 利用願には、必要に応じて利用目的の企画書、編集案もしくはこれに準ずるものを添付してください。
  4. 記入後、下記担当までメールにてご送付ください。
留意事項
  1. 掲載資料にはキャプション等で【長崎大学附属図書館経済学部分館所蔵】の旨を明記してください。
  2. 印刷、出版物への掲載の場合は、刊行後、当館へ1部ご寄贈ください。放送の場合は、放映後に番組等を録画したDVDを1枚ご寄贈ください。
  3. 利用許可願記載の利用目的以外のご利用はできません。
  4. 不必要な場所(パソコン等)への保存はせずに、利用上の必要が無くなったらすぐに削除してください。関係者に画像を転送する場合も、「流出・転用の禁止」「不要時の削除」を徹底してください。
  5. 利用時に、画像の改変(コラージュ化・デフォルメ・切り取り・字句の挿入)等はできません。
担当・申請先
長崎大学附属図書館経済学部分館
TEL:

095-820-6309

E-MAIL:

econlib@ml.nagasaki-u.ac.jp

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外部リンク

以下のデータベースに武藤文庫収蔵資料の一部が収録されています。

  1. 日本古典籍総合目録データベース(国文学研究資料館)
  2. 近代書誌・近代画像データベース(国文学研究資料館)
  3. 全國漢籍データベース(全国漢籍データベース協議会)