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博士論文インターネット公表に際してのQ&A

 

長崎大学附属図書館

  長崎大学附属図書館学術コンテンツでは、学位を授与された方のリポジトリ登録サポートを行っています。
以下過去の事例よりQ&Aを作成致しましたので、ご一読下さい。

 

※番号をクリックすると移動します。
Q1.
博士論文のインターネット公開は、個人のホームページ上でもいいのですか?
Q2. リポジトリ登録する上で注意することは何ですか?
Q3. リポジトリに登録することは、著作権的に問題はないのですか?
Q4. 博士論文の著作権を確認したいのですが、どうすればいいですか?
Q5. 『査読前論文』・『著者最終原稿』・『出版社版PDFファイル』とは何ですか?
Q6. 博士論文をインターネット公表できない「やむを得ない事由」とはどういう場合ですか?
Q7. 博士論文内で新聞記事画像を引用しているのですが、リポジトリ登録しても大丈夫ですか?
Q8. 「やむを得ない事由」に該当する場合はどうすればよいのでしょうか?
Q9. 『博士論文文献複写確認書』とは何ですか?
Q10. PDF/A形式がわかりません。どうすればいいのでしょうか?
Q11. リポジトリ登録の際、キーワード等登録できますか?
Q12. 博士論文の内容を学術雑誌に投稿することにしました。リポジトリ登録はどうすれば
よいのでしょうか?
Q13. 学位論文を修正(書き足し)してから、登録しても良いでしょうか?
Q14. 学位論文の内容について、利用者から意見を聞きたいので自分の個人情報(住所・電話番号)を掲載できますか?
Q15. リポジトリ登録に、どうしてメールアドレスが必要なのですか?
Q16. リポジトリ登録について相談したいのですが、図書館のどこへ連絡すればいいのですか?

 

Q1. 博士論文のインターネット公開は、個人のホームページ上でもいいのですか?

A1. 大学の機関リポジトリに登録することが原則となっており、個人のホームページにアップロードしても、公開とは認められません。
『長崎大学学術研究成果リポジトリ:NAOSITE』に登録することで、インターネット公開となります。

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Q2. リポジトリ登録する上で注意することは何ですか?

A2. 全ての著作物には著作権が発生します。他者の著作権を侵害していないか注意が必要です。自分が投稿した論文であっても、雑誌投稿した際に著作権を出版社に譲渡している場合があるので注意が必要です。

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Q3. リポジトリに登録することは、著作権的に問題はないのですか?

A3. 論文の著作権が著者にある場合、著者がリポジトリ登録することは、著者による複製権および公衆送信権の行使となります。
 また著作権が出版社にあり、『著者の権利』としてリポジトリ登録を認めている場合も同じです。またクリエイティブ・コモンズ・ライセンスにより、一定の条件の元、誰もが論文の利用ができる場合も、リポジトリに登録することができます。
 このように著作権者の許可があれば、問題はありません。図書館は著者の許可の元、『著者の権利』を代行していることになります。
【参考】
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
http://creativecommons.jp/

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Q4. 博士論文の著作権を確認したいのですが、どうすればいいですか?

A4-1. 雑誌論文を博士論文とする場合
 雑誌論文を投稿した際、著作権は出版社に譲渡されている場合があります。そのため、雑誌論文として投稿した論文を博士論文とする場合は、その雑誌論文がリポジトリ登録可能か調べなければいけません。雑誌ホームページや著作権譲渡確認書で確認するか、不明な時はエディターに直接問い合わせる方法があります。

A4-2. 自分の雑誌論文をテーシス形式でまとめる場合
 著作権が既に出版社に譲渡されており、本文および図表などの一部をそのまま博士論文内に転載した場合、著作権侵害になる恐れがあります。
 自分が投稿した雑誌論文をテーシス形式でまとめる場合は、元となった雑誌論文が博士論文として再利用可能か、また転載した部分を含む博士論文をリポジトリ登録可能か調べる必要があります。
 こちらも雑誌のホームページで調べるか、わからなければエディターに問い合わせることをお勧めします。

A4-3.  論文の著作権が不明な場合
 論文の著作権が不明な場合は、メールに『著者名・タイトル・雑誌名・巻・号・ページ・論文のURL、DOI』などの情報を記載し、図書館学術コンテンツ libcon@ml.nagasaki-u.ac.jp までお送り下さい。
 図書館で著作権を確認し、折り返しご返信致します。

【参考】
 以下のサイトでも学術雑誌論文の著作権を確認することもできますが、情報が古いことが多々あるためあくまでも参考として下さい。

学協会著作権ポリシーデータベース
http://scpj.tulips.tsukuba.ac.jp/
 
SHERPA/RoMEO
http://www.sherpa.ac.uk/romeo/index.php

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Q5. 『査読前論文』・『著者最終原稿』・『出版社版PDFファイル』とは何ですか?

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A5-1. 査読前論文
 雑誌投稿した際に提出した、まだ査読を受けていない著者作成の本文および図表ファイルを、査読前論文と言います。これは博士論文としては認められていないため、出版社がこの論文しか登録を許さないということであれば、リポジトリ登録は不可となります。

A5-2. 著者最終原稿
 査読を何度も受けて、最終的に受理された著者作成の本文および図表ファイルを、著者最終原稿と言います。Word・Excel・PowerPoint・JPEGなどのファイルがこれにあたります。これは博士論文として認められますが、出版社によっては公開禁止期間を定めている場合があります。
大学院係へ提出する際には、出版社に受理された全てのファイルを提出して下さい。

A5-3. 出版社版PDFファイル
 雑誌に掲載されている状態の論文で、論文内に雑誌名・巻・号・ページ・コピーライト表記が入っているのが特徴です。雑誌のホームページで出版者版PDFがダウンロード出来ても、リポジトリ登録が認められていないことがあるので注意が必要です。

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Q6. 博士論文をインターネット公表できない「やむを得ない事由」とはどういう場合ですか?

A6. 「やむを得ない事由」とは以下の場合が考えられます。

【やむを得ない事由とは】
a.
立体形状による表現等を含む等、インターネットによる公表が物理的に不可能である場合。
b.
個人情報やプライバシーに係る情報を含み、インターネット公表により研究対象者等に明らかな
不利益が生じる。
c.
出版刊行済みまたはその予定があってインターネット公表により著者に明らかな不利益が生じる。
d.
学術雑誌へ掲載済みまたはその予定があって、インターネット公表により著者に明らかな不利益
が生じる。
e.
他者の著作物を転載している、または出版刊行済み、学術雑誌へ掲載済みであって、著作権者から
インターネット公表の許諾がえられない。
f.
特許申請済みまたはその予定があって、インターネット公表により著者に明らかな不利益
が生じる。

 その他、様々な個別のケースが考えられます。自分の博士論文が「やむを得ない事由」にあたるか不明な場合は、指導教員にご相談下さい。

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Q7. 博士論文内で新聞記事画像を引用しているのですが、リポジトリ登録しても大丈夫ですか?

A7. 著作権法第32条により以下の条件を全て満たせば、他者に権利のある著作物を引用して利用することができます。

【引用と認められる条件】
a.
引用する資料は既に公表されているもの
b.
報道、批評、研究などのための正当な範囲内である
c.
引用部分とそれ以外の部分の主従関係が明確である
d.
カギ括弧などにより引用の部分が明確になっている
e.
引用を行う必然性がある
f.
出所を明示している

 しかし『正当な範囲内による引用』のつもりであっても、著作権者の判断により『引用』ではなく『転載』とみなされる場合や、『引用』であっても使用料を請求される場合もあるそうです。また著作権が切れている著作物についても、その所有者によってはインターネット公表について事前照会が必要な場合もあります。(例:美術絵画)
他者の著作物を引用または転載している場合は、著作権者に『博士論文内に引用(転載)すること。またその内容をインターネットで公表すること。』の確認をとってください。

【参考】
ネットワーク上の著作権について(一般社団法人 日本新聞協会)
http://www.pressnet.or.jp/statement/copyright/971106_86.html

 著作権者よりインターネット公表に際し掲載料金が発生した場合や、許諾を得られなかった場合は「やむを得ない事由」に当たると考えられます。指導教員にご相談ください。

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Q8. 「やむを得ない事由」に該当する場合はどうすればよいのでしょうか?

A8. 「やむを得ない事由」に該当する場合は、『インターネットの利用による学位論文(全文)の不公表(公表保留)承認願』に必要事項を記入し、大学院係へ提出、学長の承認を得て下さい。
 承認を得た後、「博士論文全文の公表」に代えて「全文の要約」を公表することができます。しかし要約を公表しても、「やむを得ない事由」が消滅した場合は、全文公表しなければいけません。

 また、大学と国会図書館はその論文の全文を閲覧できるようにしなければならないため(学位規則第九条第二項関係)、印刷可の全文ファイルを大学院係へ提出して下さい。
 要約ファイルをリポジトリ登録した場合、国会図書館へ全文ファイルを送る必要がありますが、こちらは教育支援課が担当しますので、何もする必要はありません。

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Q9. 『博士論文文献複写確認書』とは何ですか?

A9. 図書館において利用者が博士論文を閲覧した結果、全文複写を希望した場合、著者の了解が得られている時は全文複写を行うことができます。(著作権法第三十一条)
この全文複写の意向を在学中に確認する必要があるため、要約を公表した著者に対し『博士論文文献複写確認書』の提出をお願いしています。
 選択肢内の『全文複写不可』を選択した場合でも、著作権法の定めにより半分までの複写が許可されることをご理解下さい。また『利用目的を確認しその都度指示を出す』を選択した場合は、利用者からの申請がある度に、記載されたメールアドレスへ図書館より連絡が入ることになります。
 これらを考慮した上で、確認書の記載および提出をお願いします。

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Q10. PDF/A形式がわかりません。どうすればいいのでしょうか?

A10. PDF/A形式に変換するにはAdobe AcrobatなどのPDF変換ソフトが必要です。もし出来ない場合は、著者最終原稿ファイル(Word・Excel・PowerPoint等)をそのまま大学院係へ提出して下さい。図書館がファイルを受け取り次第、PDF/A形式に変換・登録します。

 いただいたファイルはそのまま登録することになりますので、PDF/A形式でファイルを作成する際は、文字化け・文字抜け・FigureやTable番号・ページ数などをチェックして下さい。

※PDF/Aとは
国会図書館では、電子ファイルの形式としてPDF/A(ISO 19005)を推奨しています。また、長期的な保存及びアクセシビリティ確保のため、外部情報源(外部フォント等)を参照していないこと(フォントを埋め込んだファイルとすること)をお願いしています。
ただし本学ではPDF/A変換不可の場合、通常のPDF形式で登録しています。

【参考】
3. 博士論文の電子データの形式(国立国会図書館)
http://ndl.go.jp/jp/aboutus/hakuron/index.html#chap3

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Q11. リポジトリ登録の際、キーワード等登録できますか?

A11. リポジトリ登録の際、キーワード・抄録だけでなく、別言語の著者名・別言語のタイトル・キーワード・抄録などを追加登録することが可能です。これらについては直接図書館へご連絡下さい。

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Q12. 博士論文の内容を学術雑誌に投稿することにしました。リポジトリ登録はどうすればよいのでしょうか?

A12. 学術雑誌投稿規定に『投稿内容は未発表のもの』とある雑誌が多いです。リポジトリに登録することは、発表済みと見なされる可能性が高いため、学術雑誌投稿・掲載後にリポジトリ登録することをお勧め致します。この件につきましては、まず指導教員と大学院係にご相談ください。

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Q13. 学位論文を修正(書き足し)してから、登録しても良いでしょうか?

A13. 学位審査に提出された論文を登録しますので、内容の修正は認められません。
詳しくは、大学院係にご相談ください。

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Q14. 学位論文の内容について、利用者から意見を聞きたいので自分の個人情報(住所・電話番号)を掲載できますか?

A14. インターネット上に過度の個人情報を掲載することは、お断りしております。論文内容について利用者から問い合わせがあった場合は、図書館から著者へご連絡させていただきます。
 個人情報保護についてご理解いただきますようお願いします。

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Q15. リポジトリ登録に、どうしてメールアドレスが必要なのですか?

A15. 図書館では博士論文をリポジトリ登録する前に、登録ファイルや著作権など再確認を行っています。不備などがあった場合、図書館から著者へ再確認をとる必要があります。
 またリポジトリに登録する際、博士論文ファイルだけでなく著者のメールアドレスも登録しています。これにより毎月1日に論文閲覧状況確認メールが届き、ご自身の博士論文の利用状況を知ることができます。その他、登録されたメールアドレスでリポジトリにログインすることにより、詳細な閲覧状況を確認することも可能です。
 そしてリポジトリ登録後、利用者から博士論文内容の問い合わせや、引用許諾依頼が図書館にあった際、図書館から著者へ連絡することもあります。このような理由により、図書館へのメールアドレスの通知をお願いしています。卒業後・帰国後に確実に連絡がとれるメールアドレス(G-Mail・Yahoo!メール・Hotmailなど)の取得をお願いします。

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Q16. リポジトリ登録について相談したいのですが、図書館のどこへ連絡すればいいのですか?

A16. リポジトリ登録については、中央図書館事務室内 学術コンテンツが担当しています。
ご不明な点がありましたら、メール libcon@ml.nagasaki-u.ac.jpでお問い合わせください。

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長崎大学附属図書館
学術コンテンツ担当
TEL:095-819-2195 / E-Mail:libcon@ml.nagasaki-u.ac.jp

2016.1.29