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中央図書館所蔵官立長崎師範学校の蔵書概要

『民法論綱』巻一~三 ゼルミー・ベンサム著 何礼之訳 東京 東生亀次郎ほか 明9.3

原書は、緒言によれば、ゼルミー・ベンサム(Bentham, Jeremy:1748-1832)のThe Principles of Civil Code。ベンサムは、功利主義の提唱者として有名なイギリスの経済学者。訳者何礼之(が のりゆき)は1840年(天保11)唐通事の子として長崎に生まれ、幕末には長崎の英語稽古所学頭をつとめ英学塾を開設するなど、英語教育に貢献した。岩倉遣欧使節に通訳として随行した際、モンテスキューの『法の精神』を翻訳し、これはのちに『萬法精理』として刊行された。『民法論綱』は、その後『立法論綱』(明治11)『刑法論綱』(明治12)『憲法論綱』(明治15)『利学正宗』(明治16-17)などと続いて刊行されることになるベンサム著作の翻訳のさきがけとなった。6冊本で内容は、上篇「民法の綱領」、中篇「資産ノ分配」、下篇「私人ノ間ニ存スル権利、義務」となるはずだが、中篇以降の3冊は官立長崎師範学校では所蔵していなかった。(参考文献:大久保利謙「幕末英学史上における何礼之」『鹿児島県立短期大学研究年報』6、1978年)

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