紙製人体解剖模型(キュンストレーキ)


紙製人体解剖模型(キュンストレーキ)

万延元(1860)年にポンペが講義のため、フランスから輸入した紙製の人体解剖模型(キュンストレーキ,kunstlijk)。男性体。体長110センチメートル。パリのオズーの作といわれ、針金細工に植物性繊維をかぶせたハリボテ構造である。

 

現在では、頭部、左半身が欠、脊椎だけがはっきりと目につき右半身だけの破損が激しい状態であるが、万延元年以来、原爆の被災をも奇跡的に免れ、本学の歴史と共に歩んできた150年の時の重さを感じさせる資料であり、現存する日本最古の紙製解剖模型である。

 戦前の時点ですでに損傷が激しく、医学部の卒業アルバムや以下の論文でその往時の姿を確認できる。

・Takagi Jungoro. Die Errichtung der ersten staatlichen Lehranstalt fur Medizin in Nagasaki. Acta Medica Nagasakiensia. 1941, 2, p.1-4
  http://hdl.handle.net/10069/17384

▲紙製人体解剖模型(キュンストレーキ)

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